淀川長治非公認・映画の紹介


 私が見た中で特に感動したおすすめの映画を紹介します。
 適当に分類して(本当に適当だ)、適当にコメントを付けておきます。 古いやつが多いですが有名なものばかりなので是非見てみてください。 最近の映画よりは遙かに内容のあるものです。

分類題名
コメント
Classic国民の創世グリフィス監督による世界初の(アメリカ初と言うべきか)長編映画。南北戦争前後の南部が舞台です。ベン・キャメロンという南部の英雄が主人公で、彼はKKKの創設者的な存在のようです。一部では人種差別的な批判もある映画ですがすばらしい映画です。ヒロイン役はリリアン・ギッシュ嬢。
イントレランスこれもグリフィス監督の作品で、古代バビロン編、キリスト編、中性編、現代編の四編が同時進行する難解な映画です。イントレランスは非寛容を表し、その悲劇を説きながら寛容さの大切さを示したもの。バビロン編と現代編は注目すべきシーンの連続です。
戦艦ポチョムキン世界の名画ベスト1に何度か選ばれた名作映画です。平民の一般水夫に叛乱の意志が芽生え、それが連鎖的に広がっていく過程がよく描かれています。戦闘中に階段から乳母車が滑り落ちてゆく有名なシーンがあります。やはり蛆のわいた肉では嫌ですね。(^^;
ベン・ハー1959年にアカデミー賞をとったベン・ハーの元祖、1926年の作品。競技場のシーンはリメイク番の方が迫力はありますが、奴隷船のシーンなどはこちらの方がリアルだと思います。一般の視聴者にとっても色褪せることがないように思いますが、なかなかレンタル店に置いていないのが残念です。
キッドチャップリンの映画。捨て子と彼を育て?一緒に暮らす浮浪者。苦しい生活の中でもお互いを必要としあい、共に生きていこうとする二人の友情をいつものドタバタ喜劇で描き感動を誘う。1921年の作品であるがいつの時代でも変わらぬ感動を生むことができるのは名作の証であろう。
黄金狂時代チャップリンのサイレント映画。彼の映画の多くは自分で俳優として出演しながら、監督、脚本、音楽、製作もつとめている。この映画は浮浪者がアラスカに金鉱掘りに行く話。毎度のことであるがただのドタバタコメディーに終わらず心底感動できるものになっている。
制服の処女こちらはドイツの映画で、厳しい寄宿女子学校に赴任した若い女教師と生徒達を描いたものです。無批判に規則を押しつける老院長に反感を持ちつつも、うまく管理してゆくのですが・・・。とりあえずベルンベルク先生(だったと思う)は素敵な雰囲気を持った”先生”です。
名作會議は踊るオペレッタという分類に入るドイツの映画です。ロシア皇帝とオーストリアの街娘の恋をコメディータッチ(だったかな?)で描いたもので、『唯一度だけ』などの歌が入ります。ナポレオンの帰還とともに恋も突然終わりますが、暗い雰囲気は全然なく墺外相メテルニッヒの演技もおもしろい。
グランド・ホテルバリモア兄弟、ガルボ、クロフォードの豪華キャストがホテルの中で人生模様を繰り広げるもの。各々の渋い演技が光る1931/32年のアカデミー賞作品です。同じ空間と時間の中で並行的に物語が進行する映画形式の代表作。幸せになる人もいれば、不幸になる人もいます。
街の灯あえてサイレントにこだわり続けたチャップリンの、実質的には最後のサイレント作品(だったと思う)。内容は目の不自由な少女を浮浪者が助けるというメロドラマ。いつものドタバタもとりわけシリアスに映る。これを見れば今のテレビのつまらないメロドラマは二度と見る必要はないでしょう。
我が家の楽園1938年のアカデミー作品賞・監督賞に輝いた、フランク・キャプラ監督のドラマです。キャプラ監督は古き良き時代のアメリカと市民を描いた、良心的ヒューマンドラマを多く作っています。当時であってもそれが目立つもので、現代ではなおさらでしょう。
大いなる幻影第一次世界大戦中の捕虜収容所を舞台に、フォン・ストロハイム演じる収容所所長とフランス空軍の捕虜(ジャン・ギャバン)の友情を描いたもの。彼らがともに歴史の流れの中で没落しつつある貴族階級であることが、敵味方を越えた友情のもとになっています。
トップハットフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのミュージカル。ミュージカル映画は1950年代から1960年代にかけてよく作られていてジーン・ケリーやビング・クロスビーなどが有名ですが、これは1935年の作品。最近は金がかかるのであまり作られることはない。フレッド・アステアは淀川さんの事務所で踊ったこともあるらしい。
市民ケーンオーソン・ウェルズ監督、脚本。「薔薇の蕾」という言葉を残して死んだ新聞王の生涯を描いたもので、よく世界の名作映画ベスト1に選ばれる作品。新聞王ハーストをモデルにしているといわれている。社会的名士の光と陰は哀愁を感じさせる。最後まで目を凝らしてみていると「薔薇の蕾」を見ることができるだろう。
禁じられた遊び音楽で有名なこの映画は、第二時世界大戦中に孤児となった少女と、少年が生き物を殺してお墓を作って遊ぶ姿を描いたものです。幼い心が、大人がもつ死に対する社会的観念を越えて、どのように死を捉えるかが透徹して描かれています。
ドラマスミス都へ行くこれも前出のフランク・キャプラ監督の作品。日本で公開されたのは日米開戦の数日前(だったと思う)です。理想的民主主義を頑なに信じる心を描いています。なかなかこうはいかないけど、やっぱりこういうのはいいですね。そういう作品にはジェームス・スチュワートがよく似合っています。
ピグマリオンこれはリメイク版マイ・フェア・レディの元祖にあたるイギリス映画。レスリー・ハワードがヒギンズ教授役です。自分の作り上げた(育てた)もの(生徒)を愛するようになるというギリシャのピグマリオン神話がモチーフ。マイ・フェア・レディを見た人は比べてみるのも良いでしょう。
若草物語若草物語には、サイレント版と、キャサリン・ヘップバーン主演(ジョー役)版と、ジューン・アリスン主演(ジョー役)版があります。どちらも豪華なキャストととても綺麗な背景で面白いです。やはりこれも良心的な名作映画というやつですね。
わが谷は緑なりきジョン・フォード監督のヒューマンドラマです。フォード監督は西部劇で有名ですがヒューマニズムを描くことにかけても一流のようです。労働者階級の生活や心理を、時には明るく時には深刻に示しています。「怒りの葡萄」とはまた違った良さのある作品。
赤と黒スタンダールの原作をジェラール・フィリップ主演で映画化したもの。原作を読むのが面倒なので映画を見たのですが結構良かったやつです。迷える無垢な? 野望の行く末は、時代と生活に翻弄されざるをえない若者の姿を、時代を超えて映していて共感できます。
二都物語ディケンズ原作の名作小説の映画化。ダーク・ボガード主演版。古い約束を守るため、革命によって危険に陥った愛する人の夫を救うべく混乱のフランスに赴く男の愛と友情を描く。ついでに革命という集団ヒステリーも見ることができる。そこらへんは「ベルサイユの薔薇」を連想したりして。
エデンの東ジェームス・ディーン主演の映画。ジェームス・ディーンは若くして死んだので主演作品は三本しかないが、他のものに比べるとこれはよくできていると思います。父と子の確執を描いたものでその表情やしぐさはディーンを一躍スターにした。「ガラスのように繊細だね、とくに君の心は」
キューポラのある街ここで何故か吉永小百合主演の日本映画が入る(笑)、女子学生の目を通して、工場労働者としての職人の生活が描かれている。その深刻さに現代的な意味がどれだけあるのかは分からないが、今でもかなり見応えのあるものだと思う。
戦争空軍大戦略ダンケルクでの奇跡的な撤退のあとに起こった、”英国の戦い”を描いた戦争映画で、空戦を扱ったものの中では最も良くできたものだと思う。”Never in the field of human confrict was so much owed by so many to so few ”チャーチルの第二次大戦回顧録にはそうある。ドイツ軍にとっては悲劇以外の何者でもない。
バルジ大作戦”バルジの戦い”として知られる”ラインの守り”作戦を描いた戦車戦を扱った秀作である。へスラー大佐を演じるロバート・ショーは「空軍大戦略」に英空軍の将校として出演している。へスラー大佐のモデルはヨーヘン・パイパーです。最後は気に入らないな(苦笑)
戰場よさらばヘミングウェイ原作の映画化。ヘレン・ヘイズとゲーリー・クーパー主演版。戦争を背景とした恋愛映画で後にジェニファー・ジョーンズ主演でリメイクされた「武器よさらば」の元祖。前線を生き抜いて帰ってきた主人公は恋人の死に直面する。はじめからこうなることは分かっているけど感動します。
戦争と平和トルストイの原作を映画化したアメリカ映画版です。ナポレオンのロシア遠征の中で揺れるロシア貴族の恋愛を描いたもので、オードリー・ヘップバーンがナターシャを演じている。悲劇の中でもヒューマニズムが見てとれる。ナポレオン軍の突撃は見ごたえがあると思う。
ヒトラー最後の10日間アレック・ギネスがヒトラーを演じている。最後の10日間に的を絞って忠実に再現しているので、かなり充実した内容となっている。オープニングにはローエングリン3幕への前奏曲が使われている。とても興味深い作品であると言えるだろう。
陸軍中野学校市川雷蔵主演で加東大介が所長を演じる特務機関を扱った映画。教育的な部分は実史を再現しているようだ。陸軍中野学校は計5シリーズありどのシリーズも見ごたえのあるものになっている。諜報は敵を探るものであると同時に、敵の諜報機関からの防衛が大きな役割となっていることをよく示している。
戦争のはらわた第二時世界大戦におけるロシア戦線の前線が舞台である。そのへんは「僕の村は戦場だった」を連想させる。戦闘がメインの埃っぽい映画となっていて、政治的理由とは違った味方同士の対立もいい感じである。続編に「戦場の黄金律」があるが配役も替わり内容も無いものとなっていて残念だ。
ひまわりマルチェロ・マストロヤンニ、ソフィア・ローレン主演のイタリア映画。戦争にいったまま帰ってこない夫を捜してソビエトに行く妻。しかし夫は現地で結婚していた。イタリアの妻の出現で夫の心は揺れ動くが、事実を知った彼女は身を引く決意をする。「花、おなじものがいっぱい、いらないものもいっぱい。」
アクションジャッカルの日フォーサイス原作のドゴール大統領暗殺を描いた作品。原作と同じくらい面白い映画は希だが、エドワード・フォクスの渋い演技が光るこの作品は十分面白いと思います。全てを知って計画的に行動する暗殺者と、はじめはなにも知らなかった警察のお互いの追跡劇が最後まで展開される。
真昼の決闘「ジャッカルの日」と同じくフレッド・ジンネマン監督の西部劇。映画と現実の時間がシンクロして展開し全て90分の中に納められている。12時(正午)に引退することが決まっている保安官がその直前にやってくる悪党を迎え撃つというストーリー。町の人に応援を頼むのだが・・・。
ヴェラクルス「真昼の決闘」と同じくゲーリー・クーパーの主演の西部劇。要人護送を依頼された元南軍の大佐とバート・ランカスター演じる無法者は、その裏に隠された秘密を知って・・・。クーパーのストイックなヒーローぶりとランカスターの不敵な悪役ぶりが際だっていて面白い。やはり西部劇はこうでなくては。
駅馬車ジョン・フォード監督の西部劇。西部劇の定番です。「駅馬車」という邦題は、淀川さんがパラマウントにいたときにつけたものです。駅馬車に乗り合わせた紳士、淑女、酒場女、銀行家、酒商人、保安官、酔いどれ医者と途中で加わったお尋ね者がインディアンの平原を縦断する話。インディアンに追撃されるシーンが見物です。
泥棒成金ヒッチコック監督の映画で主演はおなじみのケーリー・グラントとグレース・ケリー。宝石を狙う泥棒を追う話だが、見どころはグレース・ケリーが車を暴走させる場面かもしれない。その後モナコ王妃になった彼女は本当に自動車事故で死んでしまう。元祖ダイアナか・・・(^^;
マルタの鷹ハメット原作のハードボイルド、ハンフリー・ボガード主演版。ほとんどが謎解き中心のこの映画、謎はかなり難しかったので挑戦してみたらいいだろう。ピーター・ローレやシドニー・グリーンフィールドなどの個性的な俳優が出演している。鷹の像に秘められた謎とは何か、本物は誰の手に?
汚れた顔の天使ジェームス・ギャグニー主演のギャング映画。友達だった二人の少年はある事件がきっかけで、一人はギャングに一人は牧師になる。二人の友情は大人になっても続いているがやがて悲劇が訪れる。ギャング映画の中ではめずらしく感動を生む作品である。
’80以後ミザリー人気作家が熱狂的なファンの女性ストーカーに捕らわれ、殺されかけるという内容のサスペンス映画。キャシー・ベイツの演技力はすごいですねぇ〜、本当に怖いですね〜。昔の映画にもマリー・ドレスラーという怖い女性俳優がいましたが、庵野監督もおばさんのエヴァファンに補完されてほしいですね〜(笑)。
レインマン今まで別れて暮らしていて、その存在も知らなかった障害者の兄に遺産目当てに近づいた弟が、兄と数日間一緒にいるうちに兄弟の絆を深めていき共に暮らすことを望む。そんな弟の気持ちを障害者の兄はどのように受け止めているのか。ダスティン・ホフマンの名演が光ります。
スタンド・バイ・ミー4人の少年が行方不明になっている子供を捜しに旅に出る話です。テーマソングは有名ですね。もう大人になっている人が見たら、まだ少年だった頃の夏の暑い日を思い出させてくれる雰囲気を持っています。出演していたリバー・フェニックスはもう死んでしまいました。
ニュー・シネマ・パラダイス田舎の映画館で、映画好きの少年と映写技師の老人との心温まる交流を描いたイタリア映画。ノスタルジックな雰囲気とBGMは有名です。映画館がまだ庶民の手によって営まれていた頃のお話です。当時の映画のフィルムはよく燃える危険な代物でした。
ランボースタローン主演のアクション映画。原作の題名は「一人だけの軍隊」です。国家の命令によってベトナムで戦った兵士が、本国に帰国すると殺人者と罵られ社会に受け入れてもらえない。最後のランボーの叫びは多くのベトナム帰還兵の共感を呼んだのではないだろうか。この映画も続編が作られるにつれてふざけた内容になっていったのは残念。
レイダースハリソン・フォード主演のアクション映画、インディー・ジョーンズの元祖「失われた聖柩」。考古学者が幻の秘宝を求めてドイツ帝国と争うという内容で凄いアクションシーンの連続です。どこをとっても面白い映画ですね。最後のアレは人類補完計画なのか?。
スモークたばこ店の店主と常連客の人間模様を描いた映画で、いわゆる「ハリウッド映画」とはちょっと違った雰囲気の映画です。同時進行する2つの物語の中で、日常生活のごくありふれた深刻さ、あるいは哀愁のようなものが伝わってきます。ハーヴェイ・カイテルの演技が渋い、最後の場面は感動ものです。
SFメトロポリス高度な美術が特徴の古典的SF映画。70年ほど前のものだが、当時の人の未来感の一面をうかがえる。現代の資本主義社会ではこの映画ほどには、一部の特権階級と大多数の下層階級という構図を見ることはできない(見方によってはあるかもしれんが)。むしろ人と機械の関係の方が興味深い。
2001年宇宙の旅定番の名作SF映画。未知の存在を探るため木星に旅立つ話。宇宙ステーションや思考するコンピューターが登場する。現実的には、基礎的な技術も宇宙計画も追いついていないが、あと二〇年ぐらいしたら一般人でもスペースシャトルに乗って地球の周りを回ることぐらいはできそうだ。
博士の異常な愛情これは面白い、キューブリック監督の作品、冷戦中に作られた悪質な(笑)コメディー映画。アメリカの狂った将軍がソ連に核攻撃を企て、政府や軍部はそれを止めようとするが、最後には本当にやってしまうというお話。救いのない「ウォー・ゲーム」みたいなやつかな。笑えます。
めぐりあい宇宙1本ぐらいアニメも入れておこう。だれでも知ってる「機動戦士ガンダム」の映画版第3編。アニメは他にもたくさんあるけど私はよく知らない。「エヴァンゲリオン」との違いは、ガンダムにおいては政治の存在や、主人公の成長が見てとれることである。「ララァーーーーー」(笑)
惑星ソラリス実はまだ見ていません。今、一番見てみたいやつということで最後に載せておきます。スタニスワフ・レムの原作は人間とは全く異なった生存形態を持つ異性生物と人間の、奇妙な交流を描いたSF作品です。映画ではどのように演出されているか見てみたいです。

 以上、名作35作品を紹介してきましたが、もちろんこの他にもたくさんあります。このような映画を置いていないレンタル店が多いのは残念です。あまり見られることがないからでしょうか。
 他にも紹介すべきものがたくさんあると思うのですが(「市民ケーン」などが入っていないけど)、淀川長治先生非公認ということで(^^;この程度で許してください。


 (1/15) 35作品に8作品を追加、「市民ケーン」も入れました。有名なものばかりなのでレンタル店で見つけることができると思います。現在、ジェームス・スチュワートも亡くなりかつての名俳優、名監督はほとんど残っていないけど映画の中では元気にやっているので供養のために観てあげてね。(^^;
 (2/1) 1980年以降の映画7作品を追加しました。最近の映画はテレビなどでたくさん見ているはずなのに心に残ってるものは少ないです。これで一応50作品を紹介することができましたね。それでは・・・さよなら、さよなら、さよなら(^^;。


さよなら、さよなら、さよなら